天皇賞(秋)(G1) レース回顧
週末に少し雨が降り余計に寒さを増した東京。
良馬場の発表でしたが、
馬場は若干の影響を受けていたでしょう。
レース全体を見ても時計が掛かっている感じで、
外からの差し馬が良く決まっていました。
この時点でやはりエイシンヒカリは逃げ切れないような
雰囲気がありましたね。
また、エイシンヒカリは、
元々落ち着いた感じではありませんが、
パドックでも返し馬でも暴れ出しそうな雰囲気でした。
天皇賞(秋)(G1) レース結果
ほぼ揃ったスタートから、
まず出てきたのはやはりエイシンヒカリ。
その後ろはロゴタイプ、ヤマカツエースが続いて進んでいき、
400M地点でラブリーデイがスッと外から2番手に上がってきます。
ヤマカツエースの後ろには、
クラレント、サトノクラウン、その外7番手にモーリス。
モーリスの後ろにはリアルスティールがついていました。
モーリスは少し掛かっているような動きでしたが、
ムーア騎手が上手く抑えています。
ルージュバックは中団後方の外で進めていました。
アンビシャスとステファノスは更にその後ろで、
最後方にはヒストリカルがいます。
前半のタイムは60.8と、
想像以上にスローな流れです。
後から調べるとこの10年で、
最も遅い流れだったのですね。
道中はそれほど隊列は変わりませんでしたが、
ルージュバック、アンビシャスが内に入ってしまい
動きづらそうな感じでした。
カーブを曲がり最後の直線へ。
直線を向いた時点で、先頭のエイシンヒカリのリードは、
半馬身程と少し頼りない感じ。
後方ではリアルスティールがかなり際どくカーブを
曲がっており、ルージュバックと接触していました。
モーリスは前目の絶好位置から最後の直線に向かう形に。
エイシンヒカリはすぐに後続に飲まれて、
ズルズルと下がっていきます。
モーリスは早めにスパートをかけ、加速していきます。
そんなモーリスの後方から猛烈に伸びてきたのは、
リアルスティールとステファノス。
特にリアルスティールは、
想像以上の素晴らしいキレで上がってきました。
モーリスに迫る勢いでしたが、
モーリスが最後もう一段階加速して勝負は決まりました。
最後は1馬身半差を空けてモーリスが勝利。
2000Mも克服した怪物が、
圧巻の競馬を見せてくれました。
それでは、
上位人気馬、注目馬の走りを見ていきましょう。
天皇賞(秋)(G1) 各競走馬の回顧
■モーリス(1着)
スローな流れで脚を溜め、
後半は速い段階でスパートをかけてきました。
位置取りなどもスムーズで完璧な騎乗。
そして、それに応えたモーリス。
人馬共に素晴らしい内容だったと思います。
距離や左回りという不安も一切感じさせない走りでしたね。
やはり格が違うという事でしょうか。
まだ仕上げも完璧ではないと思うので、
今年はこれでは終わらないでしょう。
■リアルスティール(2着)
今回の天皇賞で一番のサプライズは
このリアルスティールではないでしょうか。
最後の直線でのキレは圧巻でした。
もちろん、前半脚を溜めた事が
功を奏したのもありますが、
ここまでのキレは想定外でした。
ポジション取りがもう少しスムーズなら、
もう少しモーリスとの差は詰まったかもとも思いますが、
それでも、モーリスには届いていなかったでしょう。
更に距離が伸びても十分に力を発揮できる馬なので、
2500Mでの戦いを早く見てみたいですね。
■ステファノス(3着)
昨年の同レース2着馬ステファノス。
最後は良く走っていましたが、
リアルスティールとのキレ味の差は明らかで、結果は3着。
今年は昨年よりやや後ろのポジションでの競馬でしたので、
こちらも、もう少し前ならという感じはあります。
後ろ過ぎると、
キレでは上位馬にどうしても負けますね。
■アンビシャス(4着)
やや出負けしてのスタートでしたので、
前半はバランスを取りながら走っていましたが、
終始後方の競馬になってしまい、
最後は伸びきれずに4着と馬券外の結果。
最後の直線は伸びない内を走った事も、
伸びきれなかった要因でしょう。
あの位置だとキレ負けするのは確実なので、
この内容で4着というのは評価できると思います。
■ルージュバック(7着)
今回は道中蓋をされ、
動きづらい形での競馬を強いられましたね。
マークがキツい事はわかっているはずなので、
もう少し違う展開で攻めてもよかったと思います。
内容的には最後もしっかりと伸びてはきていますので、
もうちょっと馬を活かす騎乗をして欲しかったですね。
■エイシンヒカリ(12着)
終始先頭を走っていましたが、
最後の直線ではあっさりと後続に抜かれ
12着と惨敗に。
ちょっと中盤からのペースがスロー過ぎましたね。
序盤はスローでも中盤からは、
もっとペースを引き上げても問題ない馬だと
思うのですが。
トップスピード戦になると負けるのは明白ですから。
この馬は展開が合わないと難しいですね。
改めてモーリスの強さを目の当たりにした
今回の天皇賞でした。
9着となったラブリーデイは良い展開でしたが、
寂しい事に、衰えを認めざるを得ない走りでした。
エイシンヒカリの国内出走はもう無いとの事で、
こちらも寂しいですね。
それでは次回のレース予想は、
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11月6日(日)
アルゼンチン共和国杯(G2)
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G1狭間週にあるハンデ戦。
ハンデ戦ながらそこまで荒れてはいません。
人気サイドが優勢ですが、2500Mという距離ですので、
距離適性を重視しながら見ていきたいと思います。
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